DBUの基礎(403KB)
DBUは有機化合物の中では最も強い塩基性を示すものの一つであります。
1967年に、この構造の化合物がサンアプロによって世界で初めて工業化されて以来、水酸化ナトリウムを置き換え得るほどの塩基性の強さを好まれ、多くの研究者によって数々の特徴ある反応が紹介されてきました。
DBUの安定性と強塩基性と有機溶媒に対する広い範囲の溶解性は、種々の有機合成反応において高い触媒活性、温和な反応条件、目的物に対する高い選訳性を与え、現在でも次々と新しい用途が見出され、多くの報告が発表されています。
DBUの塩基性の強さを示す数値については、測定条件によって幾らかの差は見られますが表1のような測定値が知られています。
表1 DBUのpKa値
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pKa値(H2O) | 測定条件 | 著者 | 発表年 |
---|---|---|---|
11.3 | 50% aq. EtOH | Barton | 1982 |
11.5 | 中谷 | 1975 | |
11.6 | Banchette | 1984 | |
ca.12.5 | 小野 | 1978 | |
12.9 | 1M aq. Soln. | 橋本 | 1970 |
13.4 | 10% aq. Soln. | Casati | 1983 |
このような塩基性の発現は、NMRにおける6位と2、9、11位の炭素のプロトンの形状から、左のような共嗚安定構造の寄与によるものと考えられています。
1価の第三級アミンとして反応し、酸と安定な塩を、アルキルハライドとは第四級アンモニウム塩を形成します。広い範囲の有機合成分野で、酸やハロゲン化水素の脱離反応、環付加反応、イソシアネートとの反応、Wittig反応、Michael付加反応、開環反応、エステル化反応、オキシム化反応、オレフィンヘの付加反応、DBU金属コンプレックスを介する種々の反応などに応用することが可能です。
加水分解:水の存在下、特に高湿では徐々に加水分解を受けます。
1DBUとともに、最も強い有機塩基のひとつ。DBU と同様に各種の反応に広く応用が可能。エポキシ樹脂の硬化触媒・促進剤として使用すればDBUと比較して製品に微妙な物性の差を発現させることができる。DBUと相互補完的に使い分ける。
加水分解:水の存在下、特に高湿では徐々に加水分解を受けます。
還元反応:高圧水素添加によって第一級アミンに還元されます。
DBUは無色~淡黄色のかすかにアミン臭のする液体です。石油エーテル等ごく一部の溶媒を除くほとんどの有機溶媒や水によく溶解します。
DBUの溶解性
DBUは日常使用されるほとんどすべての有機溶剤に可溶であって、任意の溶剤を用いて反応させることができます。
可溶:水、エチルアルコール、ベンゼン、アセトン、酢酸エチル、
エーテル、ジオキサン、1, 4-ブタンジオール、DMSO、
液体アンモニア、ポリエーテルポリオール
難溶:石油エーテル
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