光酸発生剤とは光照射により酸を発生させる化合物で、この酸はカチオン重合、架橋反応、脱保護反応の触媒として機能します。特に光硬化性樹脂のカチオン重合開始剤として利用され、塗料、コーティング剤、3Dプリンティング樹脂、接着剤、ネガ型レジストなど広範な用途で活用されています。
光酸発生剤 概要・機能マップ(製品別)
CPI®-100シリーズはPFASフリーの製品です。
CPI®-100シリーズは当社独自製法により製造されるトリアリールスルホニウム塩タイプの光酸発生剤(光カチオン重合開始剤)です。従来品が多量のビススルホニウム塩を含むのに対し、CPI®-100シリーズはモノスルホニウム塩の純度が高いため、有機溶剤やマトリックス樹脂への溶解性に優れ、エポキシ樹脂等のカチオン重合性組成物の一液貯蔵安定性に優れています。
CPI®-200シリーズは、CPI®-100シリーズと同じカチオン骨格であり、当社独自の高純度スルホニウム塩タイプの光酸発生剤です。非Sb系ながらSbF6アニオン品と同等の酸強度とカチオン重合性を備え、様々な溶剤やモノマーに対する優れた溶解性を持ちます。CPI-200Kは液体、CPI-210Sは粉体として提供され、貯蔵安定性にも優れています。
▶CPI-200K/210SCPI®-300シリーズはi線高感度のスルホニウム塩タイプの光酸発生剤で、ボレートアニオンを使用し非Sb系ながらSbF6アニオン品と同等の酸強度を持ちます。この変更により、高いカチオン重合性と硬化物の低金属腐食性、低着色性を実現しています。
▶CPI-310BVC-1(開発品)は、可視光(g線、h線)の吸収を抑え、i線にのみ大きな吸収を持つ透明用途向けグレードです。特殊アニオンを使用しているため、非Sb系でありながらSbF6アニオン品と同等の酸強度を有し、高いカチオン重合性を示します。また、非極性有機溶剤を含む様々な溶剤やモノマーへの溶解性に優れます。
▶VC-1 FGCPI®-400シリーズはi線・h線に高感度なスルホニウム塩タイプの光酸発生剤です。CPI-410Sは特殊アニオンを、CPI-410Bはボレートアニオンを使用し、非Sb系ながらSbF6アニオン品と同等の酸強度を持ちます。これにより高いカチオン重合性と優れた溶解性を実現し、硬化物の低金属腐食性にも寄与します。
▶CPI-410B ▶CPI-410SES-1シリーズは、i線およびh線に高感度なスルホニウム塩タイプの光酸発生剤です。CPI-400シリーズと比較して酸発生率と有機化合物に対する溶解性が優れています。非Sb系のボレートアニオンを使用し、SbF6アニオン品と同等の酸強度を持ち、高いカチオン重合性と硬化物の低金属腐食性を提供します。
▶ES-1BES-2シリーズはi線高感度のスルホニウム塩タイプの光酸発生剤です。非Sb系のボレートアニオンを使用し、SbF6アニオン品と同等の酸強度を持ち、高いカチオン重合性と硬化物の低金属腐食性を示します。
▶ES-2B当社の製品をご検討いただきありがとうございます。
製品開発担当者様や研究者様が直面する課題に対し、当社製品の特性やデータ・技術情報をご提供しながら製品開発のお力添えを行っています。
近年では有機フッ素化合物:PFAS(ピーファス) (ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物の総称※) の規制が世界的に強まる中、当社として、お客様により安心してお使いいただくために、PFASフリー製品の開発に注力しております。既存のPFASフリー製品のラインアップもぜひご活用ください。
※PFAS:2021年に公表されたOECDの定義